手根管症候群

手根管症候群って何?

手首にある9本の指を動かす腱と神経を通すトンネルが手根管といいます。
その手根管が何らかの原因で障害されその先の指先の感覚や運動に異常をきたすものです。

こんな人になる可能性が高い!
手根管症候群は突発的に起こることが多い疾患です。
男女比は1:4くらいで女性に多い疾患です。
特に女性の突発的な発症に関してはホルモンバランスが関与していると考えらます。
妊産婦さんや更年期などで起きやすいとされています。
その他、使い過ぎ、過去に手首や手の骨折の既往がある方、手根管周辺に腫瘍、腫瘤がある場合、透析をしている方などに多いです。

手根管症候群の症状は?

症状

初期:中指>薬指>人差し指、親指にしびれが出てくる
中期:朝晩の痛みとしびれ、感覚の異常
後期:母指球筋の萎縮

後期になり母指球筋の萎縮が進行してくると、物が掴みづらくなる、手でOKサインが作れなくなる、ボタンがかけづらくなる、縫物がやりづらくなるなどの日常生活に支障をきたします。

手根管症候群への施術方法

診断

しびれと知覚の確認が重要です。
その他に
チネル徴候(手根管部を軽くたたくと指先に放散痛が出現する)、
ファーレンテスト(両手の手の甲同士を合わせる形を取るとしびれが増悪する)
ダルカン徴候(手根管部を指で圧迫するとしびれが増悪する)
これらのテストを行い診断をしていきます。

鑑別として首からの神経症状や胸郭出口症候群との検査も必要になってきます。

施術方法

まずは、局所の安静が一番になってきます。
あさひろメディカルグループでは固定具などを用いて局所の安静を保てるようにします。
その他に手根管にかかる圧を軽減するために消炎鎮痛効果があるクリームを使った周辺の手技療法、超音波治療、などで治療をしていきます。
それでも効果が見られづらい場合は整形外科を紹介させて頂き、注射や投薬で様子を見ます。
上記治療でも経過が不良の場合は手術が適応されます。

予防法・ホームアドバイス

手根管症候群にならないためには、手首、指のストレッチが有効です。
手首、指の多方向へのストレッチをゆっくり1方向10秒1セットくらいで3回ずつ行います。
このとき、勢いをつけてやってしまうとより負担がかかってしまうので、ゆっくり息を吐きながら行うのがポイントです。
壁を使ったり、自身で引っ張ってあげたりして無理のない範囲で行います。

そのほか負担を減らす方法として、包丁、フライパンなどの重たいものを持つときや、力を使うときは出来るだけ、片手ではなく、両手で出来るだけ行うことで少しでも負担を減らしていきましょう。
デスクワークの方の場合は手首の下にクッションや丸めたタオルなどを御置いて、手首をまっすぐに保つことで手根管にかかる負担を軽減させることができます。